白日
「たまには、飲みに外に出ないか?」
新城が、珍しくそんな事を言い出した。
俺が、犯罪を犯して見つかるのはヤバイって事が分かってるのか?
「いいのか?」
俺は、そんな風に思いながらも、その事は言わなかった。
そんな事言わなくても、新城は分かっているから。
あいつは、警察で官僚で・・・・。
十分に分かっている。
俺を、匿う事の危険さも・・・・
「あぁ、今日は警察が出場する事が何も無いんだ。
まぁ、事件があれば話は別だがな」
新城は冗談めかして言いながら、そう笑った。
「そうか。じゃあ、たまには行くか・・・」
俺が、珍しくあいつに微笑んだら、新城は不思議そうな顔をした。
「なんだよ・・・・俺が笑っちゃ悪いか?」
俺は、少し照れくさそうに視線をそらしながらそう言った。
「いや・・・・珍しいなと思っただけ。」
少し驚いたように、瞬きを何度もしていたがすぐに新城は笑った。
「そっ・・・・そうか、じゃあ、もう笑うのはよせ」
「えっ?笑ってる?」
「・・・笑ってる・・・顔全体で・・・思いっきりな?」
新城は冗談めかしたように、ニヤニヤしていた表情を笑顔に変えた。
「アハハ。ごめん。」
あまり申し訳なさそうに見えるが、でも俺を元気付けようとしている
心遣いは感じ取れた。
俺の・・・
外に出る不安感・・・
あいつには伝わっているだろう・・・
どうしても拭えない・・・・
後・・・一週間・・・
時効まであと一週間・・・
こんな時に、外に出たら確実に捕まるのは分かってる。
上は、下で動いていることを知らない。
下は、俺を捕まえようと・・・必死に今日も動いているはずだ・・・。
今・・・捕まるわけにはいかない・・・。
新城を苦しめる・・・。
「賢太郎・・・今日・・・やっぱり行くのやめよう・・・。
コンビにかどこかで買ってきて、家で飲んだほうが落ち着かないか?」
俺は、玄関に向かう足を止めてそう言った。
「俺も、そう思ってたとこ・・・そうしようか。」
新城が振り向いてそう言った表情が・・・
どこか寂しそうで・・・胸が痛んだ。
でも、今こう言って置かないと
きっと・・・今以上に苦しめるから・・・。
「あ・・・あぁ・・・・」
「じゃあ、買ってくる。」新城はそう言って、部屋を出て行った。
俺は、ただ黙って見送った。
15分か20分して新城が帰ってきた。
そして、俺の嫌な予感が当たっていたようだ。
「今日から・・・特別警戒が始まってた・・・行かなくて良かった・・・」
やっぱり・・・俺は、心の中でそう呟きながら新城には「行かなくて良かったな?」
そう、言っておいた。
ずっと一緒に居たい・・・それを叶える為には・・・
後、一週間・・・・警察とのかくれんぼで隠れ続けなければいけない・・・・
END
はーい。やっと終わりました。
長かった・・・。
エロシーンも入れようと思ったけど
なんか、そんな雰囲気じゃなかったので
やめときました(笑)
しかし、続きそうな終わり方だよね???
でも、これで終わりです。続かない。
ってか、続けたくない・・・(^−^;)って言うのが
正直な感想でして・・・。
なかなか、うまくキャラが動いてくれなかったし・・・
もうやめやめ!!!(笑)
2004.11.4
春夜
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