大石助けて!!
不二の陰謀〜不二×菊丸〜

-5-

「・・・・・」
口はふさがれているが、イク寸前にお預けをくらっている菊丸は

ちょっとしたことで声が漏れてしまいそうだった。

しかし、バレたくない為、頑張って唇を噛みしめた。

「・・・来ないのかな?」

シン・・・とした階段下に不二の息づかいが響く。

「ん?・・・不二、こっちくるよ・・・やだ!」

足音が一時しなくなったと思っていたら、段々、足音がこっちに向かってくる。

「・・・・」

不二は小さく舌打ちしながら、それでも押さえながら首筋にキスをする。

「・・・不二・・・・お願い・・・触らなで・・・」

体を振るわせ不二の耳元でお願いをする。

「・・・・辛そうだね。大丈夫?一回イッとく?」

足音を確認しながら耳元で囁くともう一度触れる。

「いい・・・そんなのしなくて・・・お願いだから・・・も・・・止めて・・・」

足音が不二達のいる階段下の前を通り過ぎていくとき、見覚えのある後ろ姿が見えた。

「・・・はぁ・・・はっ・・・大石!!」

「・・・え?」

不意に呼ばれた大石は振り返る。

「あっ・・・・」

不二もその声にびっくりする。

「大石ぃ・・・助けて・・・」

肌がほぼあらわになっている恥ずかしい格好のまま呼び止めたので菊丸の

いやらしい姿を初めて見た大石は真っ赤になってうろたえた。

「え・・・え、エージ!?ふ、不二も・・・・」

言葉もまともに言えないほど大石は動揺していた。

「大石・・・こっち来て・・・」

真っ赤になっているままの大石を菊丸の所に呼び寄せる。

「え・・・そっち?・・・」

菊丸の姿を見ながら行っていいのか迷う。

そして不二の目を気にする。

「いいから・・・早く・・・」

菊丸に近づいてきた大石はズボンまで脱がされてしまった菊丸に自分の学ランを掛けた。

「で?どういうことか説明してくれるよな?不二・・・」

「どうって?」

ニッコリ大石に向けて微笑む。

「えっ・・・だから・・・その・・・英二を裸にして・・・」

自分で言っておいて恥ずかしくなった。

しかも、裸になってする事と言えばひとつしかないのに・・・・

「まだ、裸にはしてないよ?失礼だね、大石も」

笑顔を絶やさない不二。

「でも、まだって言っても今、現に全裸じゃないか!?」

自分の後ろに隠れるている菊丸に目線を移す。

菊丸は大石の後ろで学ランを羽織って前が見えないように必死に隠している。

「大石、そんな大きな声を出して全裸なんて言ったら英二が可哀相だよ?」

不適な笑みを浮かべる不二。

「あっ・・・いや・・・・」

大石はただうろたえている。

「しょうがないなぁ。また見つかっちゃったよ。」

ふぅっ・・・とため息をつく。

「またって、前にもこんな事したことあるのか!?」

不二に詰め寄っていく。

不二は両手を上げて降参、降参と呟いた。

「参ったよ。大石にはかなわないね。前はタカさんに邪魔されたんだったかな〜」

そう言って笑った。

「前は河村に?全く、不二・・・何回繰り返せば気が済むんだ?いい加減止めろよな?」

呆れ顔を不二に向けた。

「英二じゃなければいいの?じゃあ、次は大石が相手になってね」

そう言うと、ふふっ・・と笑った。

「相手になるつもりはないよ」

大石は苦笑いを浮かべながら言葉を返した。