大石助けて!!
不二の陰謀〜不二×菊丸〜

-7-

「んぅっ・・・んぅぅっっ!!」

菊丸のイイ所を思い切り突かれて声を出したくても出せない苦しさに喘ぐ。

「ごめん、英二・・・苦しいだろうけど・・・」

耳元で謝る。

そして大石は味わったことのない感覚でそろそろ限界が近かった。

「英二・・・イきそう?」

「んっ・・・もっ・・・イくっ!!」

はぁはぁと息を辛そうに吐きながら頷く。

「っ・・・俺も・・・はぁっ・・・一緒にイこうっ」

今までにないくらい強く突きながら、英二のソレも一緒に攻め立てた。

「やぁぁっ!!ひぁ・・・そんな・・・両方・・・変になっちゃうっ・・・

もっ・・・だめっ・・・イッ・・・ああぁぁっ!」

大石の腕の中で、はぁはぁと苦しそうに呼吸をしている。

菊丸の腹には、白い液体が飛び散っていた。

「・・・・・大丈夫か?」

英二とほぼ同時に果てた大石も肩で息をしている。

「んっ・・・大丈夫・・・今だけ・・今だけだから・・・もう少し、このままで・・・」

大石の首に腕を絡ませて、抱きしめようとした瞬間、菊丸より早く大石から菊丸にキスをした。

「・・・大石?」

「あっ・・・いや・・・その」

自分で自分の行動に驚いた大石は顔を真っ赤にさせて俯く。

「あっ・・・あのさ・・・英二・・・」

「うにゃ?」

大石に初めてキスをされた事で幸せそうに微笑む。

「ん?な〜に〜?」

自分の名前を呼ばれて目の前にいる大石を見上げた。

「えっと・・・あのさ・・・不二のこと・・・あれは、何であんな事になったんだ?」

不二との行為が気になり、聞きにくいことだと思いながらも思い切って口に出す。

「あれは・・・その・・・不二が、迫ってきて・・・あーいう成り行きに・・・

なっちゃったっていうか・・・」

しどろもどろに事の成り行きを話す。

「今日が初めてなのか?それとも・・・何回か・・・」

最後の方は聞き取りづらかった。

英二は大石がどうしてそんなことを尋ねるのか疑問に思えた。

「えっ・・・あの・・・言わなきゃダメなの?」

真っ赤になって俯く。

「あ、いや・・・ごめん。言いたくなければいいんだ。」

そう言って笑った大石は少し淋しそうに見えた。

「あの、言いたくない訳じゃ・・・前に、一回だけ・・・もちろん未遂で終わったけど・・・」

恥ずかしそうに呟く。

「なんで、こんな事・・・?」

「未遂?・・・はぁ・・・よかったぁ・・・」

あからさまに安心した態度をとる。

そして安堵のため息と共に、すっと英二の肩に目の前から頭をのせる。

英二の質問は聞こえなかったようだ。

「何で、そんなに大石が安心するの?ねぇ、何で?」

ゴロゴロと猫のように大石にじゃれつく。

「えっ・・・あ・・・なんでもないよ・・・」

一瞬自分のしたことに気付き頭をさっとどける。そして苦笑いをした。

「にゃにかにゃ〜?とぼけないで答えてよ〜」

裸のままじゃれついた為に大石は菊丸にワイシャツを掛けた。

「あ・・・ありがとにゃ」

ゴロゴロとじゃれつく菊丸に仕方ない・・・と小声で呟くと安心した理由を話し出した。

「・・・俺さ・・・えーと・・・・・その・・・・えっと・・・・」

そのうちに大石は頭を抱えて唸りながら悩みだした。

そして不意に顔を上げると英二を見つめながら言った。

「いろいろ言っても仕方ないな。俺、英二が好きだよ。不二に取られたくないくらい」

さっきと違って、目の前をまっすぐ見据えた真剣な眼差しだった。

菊丸は顔を真っ赤にして照れ笑いを浮かべる。

「・・・嬉しいな・・・俺も、大石のこと好きだよ。

好きじゃなきゃ、えっちしたりしない・・・」

「本当に!?俺だけ・・・気持ちが突っ走ってたわけじゃないんだ」

英二の答えを聞いて嬉々とする大石の笑顔があった。

「うん・・・・・ホントに大石だけだよ・・・いくら、イきたくて我慢できなくても、

好きでもない奴になんかやらせるわけないじゃん!」

真っ赤になりながら、必死に大石に対する気持ちを伝える。

「・・・・・・ありがとう・・・英二・・・・」

そういうとその場で英二を抱きしめた。

「暖かい・・・大石・・・・」

強く抱きしめてくれた大石を菊丸も抱きしめた。

しばらく二人はそのままだったが不意に大石が英二の格好に気が付いた。

「あ、ごめん気付かなくて・・・服着ないと風邪ひくぞ」

そう言って頬にキスをしてから服を拾い上げた。

「ありがとう・・・優しいね?大石って・・・」

制服を着せてくれる大石ににこにこと笑いかけた。

「何笑ってるんだよ・・・」

いつもの笑みと変わらないのに何故か照れる大石。

「ううん、大石は俺のこと大切にしようとしてくれるんだな・・・と思って」

菊丸は幸せそうに微笑んだ。

「そういうこと、面と向かって言うな・・・照れるだろ?」

大石は真っ赤になって焦る。

「だって、嬉しいんだもん。こうやって優しくワイシャツを着せたり、

ボタンをとめたりしてくれる事が・・・大石は俺が特別だからしてくれるんでしょ?」

大石は菊丸はシャツのボタンをとめながら真っ赤になっている。

「・・・・・・もちろん、英二は特別だよ。ダブルスを組む前からね・・・。」

赤くなりながら優しく微笑む。

「あはは・・・嬉しいにゃ〜」

嬉しそうに顔をほころばせながら、恥ずかしそうに笑った。

そんな菊丸を見て、また、大石は胸の鼓動が早くなった。

「っ・・・わかったから、そろそろ部活行くぞ。英二!」

その鼓動を隠すように英二に言う。

「ハハ、そうだにゃ!!行こっか〜大石!!」

大石の肩を抱き、部室に向けて歩き出した。