約束の日

あの約束した日から十日目がやってきた。

小平太と両想いになり、とうとう身体を重ねる時が。

放課後、木陰で授業の復習をしていた所に
突然後ろから現れ、小平太が耳元で囁いた。
「滝…今日の夜、私の部屋においで。待ってる…」

慌てて振り向いたが、すでに小平太の姿は見当たらなかった。

「今日…」
ポツリと小さく呟いて
立てた膝に顔を埋め抱き締めた。
埋めた顔は赤く紅潮していた。

この日の為に、皆が入り終わったのを見計らって
深夜遅くに風呂に入りに行き、馴れるために
まずは石鹸で滑らせた指を入れてみた。
初日は人差し指を入れるだけで限界だった。
それも、怖くて第一関節までしか入れることは出来なかった。
二日目は、人差し指を全て中に入れることが出来た。
入れた状態で、恐る恐る前を弄ってみた。
中の壁を人差し指で刺激しながら
竿を上下に擦ってみると、今までに得たことのない快感が得られ
早々に達してしまった。

三日目からは、指を出し入れしながら
竿や先と様々な部分に触れ絶頂を迎えることができた。

何回も、挑戦してみるが興味より恐怖が勝ち
とうとう指を更に増やす事は出来なかった。


─────十日目の晩

「七松先輩…た…滝夜叉丸です…」

緊張して声が震える。

「入っていいぞ。」

障子をそっと開き中に入ると
薄明かりの中、布団の上で胡座をかき腕組をして待っている小平太の姿が視界に入る。

進もうとするが、緊張と未知への恐怖で足がすくみ前に進めない。

「こっちにおいで」
すっと自分の前に差し出された手に一歩、また一歩と震える脚を前に進め
そっと手に触れた。
触れたと同時に小平太の広い胸に引き寄せられ
閉じ込められた。

「この日が来るのを、待っていた。
この世で一番大切な滝…」

「七松先輩……」

滝夜叉丸の寝間着をはだけながら、強引に唇を重ねてきた。
貪るように小平太は滝夜叉丸の舌を吸い、絡め
胸の突起を指先で摘まんだ。
「…っ!!?ぁ…」

自分でいくら触っても、何も感じないのに
小平太に触られると体に電流が流れる様に快感が広がる。

「あっ…ゃぁ…あぁ!」
驚きと発見と快感が入り交じり滝夜叉丸はおかしくなっていく。

「がっついてるな…。初めてなのに優しくしてやれそうにない」

一人苦笑を浮かべながら、小平太の唇は胸の突起に吸い付き、舌先でチロチロと舐めあげると
滝夜叉丸は、小平太にしがみつきながら良い声で啼いた。
「ひぁ…あぁっ…な…まつせんぱ…っ!!!!」

下半身を隠していた寝間着は中心に持ち上げられ濡れて色を変えていた。
小平太の手が滝夜叉丸の下半身に滑り降りていくところで、何かに気付いた。

「滝…下帯…付けて来なかったのか?」

それを聞いた途端、滝夜叉丸は耳まで真っ赤にし
俯いてしまった。

「はい…」
消え入りそうな返事に、小平太は滝夜叉丸の覚悟を悟った。

腰紐を緩め下半身を露にし滝夜叉丸の中心に舌を這わせると、初めての感覚に啼きながらイヤイヤと首を横に振り
身を捩り、小平太から逃げ出そうとする。

「やぁっ…!!ゃっ、っああ…」


「逃がさない。今日は、滝の初めてを全部貰う。」
灯かりを背にした小平太が口端を上げてニヤリと笑う。

「っ…ぅあ…!?」
ぐいっと脚をM字に開脚させられ、滝夜叉丸の秘部が灯りに照らされた。

滝夜叉丸の開いた脚の間に小平太は入り込み
必死に閉じようとした滝夜叉丸の脚を押さえ込んだ。
滝夜叉丸の陰茎は、起立し蜜を次から次へ溢れさせていた。
蜜は後孔へと続き、羽織っているだけの寝間着を濡らした。

「ここ、毎日弄ってみたか?」
滝夜叉丸の中心から溢れ出る蜜を掬い取り
後孔へ人差し指を這わせた。

「は…はい…。でも…怖くて人差し指しか入れられませんでした…」

「偉いな、良く頑張った。後は私がしてやる」
優しく笑みを見せると、大きな手が滝夜叉丸の頭を撫でた。
手は頬に降りて、滝夜叉丸の唇を小平太の親指が撫でると再び唇を重ねられた。

滝夜叉丸がうっとりしていると身体は布団の上に倒され脚は宙に浮かび、後孔には小平太の熱い舌が差し込まれ入念に舐め始めた。

「っ!あ…イヤです!
な…まつ…せんぱ!やめっ…!!」

滝夜叉丸は背中を弓なりに反らせて、我慢していた精を吐き出した。
勢い良く吐き出した精は、腹だけではなく
顔にまで飛び散って瞳から溢れた涙と混じる。

「っぁ…はぁっ…はぁっ…」
ビクビクと身体を痙攣させながら
続けられる小平太の愛撫に
甘い啼き声を漏らしていく。

ふやけてしまいそうな程、時間を掛けて舐めてやると
後孔は、ヒクヒクと誘うように収縮し指を三本も飲み込んだ。
濡れて滑る孔は指を出し入れすると、くちゅといやらしい水音をさせ
それが聴こえる度に滝夜叉丸は、赤く頬を染め甘い声で啼き続ける。

「ぁっ…!っんんん…」

「滝…」
滝夜叉丸の腰を自分に引き寄せ、後孔に小平太の熱い肉塊が宛がわれた。

「っ…!?ぁつい……」

ゆっくりと後孔の中へ押し進められていくと
滝夜叉丸の身体に痛みが走る。
慣れない痛みに表情を強張らせた。

「痛いか?」

「すこ…し…」

「入ってしまえば…」

「い゛っ…!!?あぁぁぁぁぁぁ!!!」

小平太は更に奧に入ろうと強引に腰を進め、滝夜叉丸の中に自身を全て埋め込んだ。

滝夜叉丸は、小平太の熱い塊を奧に受け
得たことのない圧迫感と熱さ、痛みに似た痺れに悲鳴を上げた。

「っあぁ…ぁぅ…ぁ…」
目を見開き、背中を弓なりに仰け反らせて
掴んでいた小平太の腕に爪を立てた。

「全部入った…」
滝夜叉丸が、ため息にも似た甘い吐息を吐き出す度に後孔はきゅんと収縮して
小平太自身を締め付ける。
「動くぞ」

「えっ…ぁ…!?あ゛ぁ…」

激しく抜き差ししながら、滝夜叉丸の陰茎を上下に扱き上げた。

「ひっ、あぁぁ…!!激し…い…」

脚を宙に浮かせられたままの挿入は、小平太を全て受け入れられるが呼吸が上手く出来ない。

「ぁ…はっ、はっ…っ…!!」
犬の様な息遣いを何度も繰り返しながら
内部と前の刺激で、我慢出来ずに何度も精を吐き出していた。

「くっ…滝の中…凄いひくついて私に絡みついてくる
っ…はぁ、マズイ。
もう出そうだ…滝っ…!!」

掴んでいた滝夜叉丸の陰茎も再び激しく上下に扱きながら
ようやく、小平太が一度目の射精を迎えようと
今までよりも激しい大きな突き上げを繰り返す。
ぶるっと身体を震わせ滝夜叉丸の中で達した。

「ひぁあ!ああああっ…!!」

小平太の手に寄って滝夜叉丸も何度目か、わからない射精を促された。
二度三度ゆるく腰を使い、全てを吐き出すと陰茎を中から抜き取った。

肩で息をし、ぐったりと横たわる滝夜叉丸の後孔からは、こぽり…と大量の精が溢れ出す。

「勿体ねぇなぁ…」

「っぇ…!!」
つぷり…と後孔に小平太の陰茎が再び挿入されたのだ。

「っああああ!!!…っやぁぁ!」

獣の様に後から激しく突き入れられる。
たった今、射精したとは思えぬ
硬くて太い小平太の陰茎は、滝夜叉丸の肉壁の一番感じるだろうと思う場所を強く抉る。

「ひあ゛ぁぁぁッ!七松…せんぱぁ!!!
っぁ…そっ、こ…くるし…!!」

「…くっ…滝…」

そこが感じる場所だと解ると、重点的に激しく突き上げた。
入口ギリギリまで抜き、一気に最奥へと突き刺す。


「ああ…!はげし…
な…まつ…せん…あぁ…!!
もっ…あぁゃ…ぃぁっ!!」

今にも爆そうな滝夜叉丸の陰茎から汁が溢れ出す。
小平太が勢い良く抜き差しを繰り返す度に、布団へ飛び散った。

「な…まつ…せんぱぁ…!!」

啼き過ぎて掠れた喘ぎ声を聞きながら、小平太は自分のそれが破裂しそうな程膨らむのを感じた。
一層激しく抜き差しを繰り返し
一番深いところまで押し込む。

「あぁぁぁッ!」

滝夜叉丸は頭の中が真っ白になり、ただ布団にしがみつきながら精を吐き出した。

「っ…滝…ッ!!!」
射精した事により無意識に強く締め付けられた小平太は、滝夜叉丸の最奥へ放った。

萎えた陰茎を抜き取り、滝夜叉丸に口付けをしようと
顔を寄せるが、気を失ってしまっていた。

「やり過ぎて…しまったか…
目を覚ましたら、謝らなければな…」

苦笑を浮かべながら
頬をそっと撫で優しく口付けた。


2011619
春夜

「月はみている」の続きでした。
いかがでしたか?