君の顔に射す影



「久しぶり・・・。なんて言ってみたりして・・・。」

「久しぶりなんだから、そのあいさつであってるんじゃねーの?」

海堂は、三年前と同じ声でそう・・・変わらないあしらい方をした・・・。





俺達は、同じ高校を卒業後別々の道を選んだ。

俺はそのまま東京の大学に進み、海堂はテニスをもっと極めたい
そう言って、米国留学を選んだ。

まだ、帰ってくる予定じゃなかったみたいだけど、気晴らしに帰ってきたらしい。



「ただいま。」

海堂は少しだけ笑ってそう言った。

「おかえり」

俺も笑ってそう言いながら、海堂の頭をそっと撫でた。
「なにすんだよ・・・。」
俺の手を軽く叩いて払いながら、子供扱いするなと言って空港の出口に
一人で向かってしまった。
「ちょっ・・・ちょっと待ってって・・・。ゴメン・・・つい・・・。」
俺は慌てて、追いかけてすまなそうに謝ると海堂は立ち止まって振り向いた。
「ふん。そんくらいで、怒る程、子供じゃねーよ。バーカ」
笑いながら、そう言われてしまった。
「うをっ!?マジかよ・・・やられたっ!!落ち込んで損したー。」
「アハハハ。お前でも落ち込む事あるのかよ!」
「あるって!!現に今、落ち込んだってば!!」
俺達は、笑いながら、昔と変わらずくだらない事で笑い合った。


「そういえば、今日泊まる所どうすんの?実家帰る?」
「んー。まだ決めてねぇ。母さんにも帰るって言ってねぇし・・・。葉末も今年受験だから邪魔したくねぇしな。」
「ふぅん。じゃあ、俺んち来る?」
俺は、軽くそう言った。
大学に通い始めてから、一人暮らしも始めたし、海堂も気を使わなくていいと思ったから、誘った。
「いいのか?でも、実家に居るんじゃ・・・。」
「ん?あぁ。一人暮らしだから、気にしなくていいよ。」
「そっか・・・。じゃあ、甘えさせて貰おうかな」
海堂は、少し考えてから答えた。


「よし!決まり!酒買っていこうぜ!」
俺達は、アパートに向かいながらコンビニに寄ってビールやつまみ、色々買っていった。


「ここが俺の部屋。ドウゾ・・・。」
海堂はふうん・・・。と言いながら部屋の中を見回した。
「結構きれいにしてんじゃん。関心々。」
「だろ?さてと、ビール飲もうぜ!」
早速ビールのふたを空けて、海堂に手渡す。
「さんきゅ!」
かんぱーいと2人で乾杯して、何本目か覚えていない位の時には、
かなり酔ってたんだと思う。
「なぁ・・・海堂・・・俺達別れてないんだよなぁ・・・?」
俺は、海堂に抱きつきながら呟いた。
「俺は、別れたつもりはないけど?桃は別れたいの?もしくは、別れたつもりでいるの?」
「ううん。」
俺は、首を振った。
「俺・・・別れたくない。海堂と別れたら生きていけない・・・。」
「大げさな奴だな。俺なんかいなくても生きて行けると思うぞ?」
「んーん。生きていけない・・・。俺、海堂なしじゃ・・・。
ねぇ・・・海堂シてもいい?」
俺は、少しだけ体を離して海堂を見つめた。
「いいけど、そんな状態じゃ桃できないんじゃねぇの?」
「出来るって。酒入ってるとたたないって言うけど、そんなの嘘だもんな。」
「へぇ〜じゃあ。確かめてやるよ!」
海堂は、おもむろに俺のジーパンを脱がし始めた。
「えっ!?おい、ちょっと。海堂そんなキャラじゃなかっただろ」
海堂がいきなり攻モードに入るなんて今まで一度もなかったから驚いて身じろいだ。
「だって、桃が可愛く思えたんだから仕方ないだろ。諦めろ。」
そう、きっぱりと言われている内に下半身が露にされた。
「桃・・・お前の気持ち、今頃解ったよ。嫌がられると余計にいじめたくなる気持ち。」
海堂の嬉しそうな妖しい笑みを見て恐怖を覚えた。
「今、そんな気持ち解らなくていいってば!」
俺が苦笑をする間もなく、俺のモノを触り始めた。
「んっ・・・やめっ・・・海堂・・・っぁ・・・。」
海堂の腕を掴み、止めさせようとしたが振り払われて俺の腕は自分の着てたシャツで拘束されてしまった。
邪魔が入らなくなった為か、海堂は俺の反応を楽しむように再び触りだした。
「っ・・・海堂・・・・やめっ・・・もう・・・でる・・・。」
「いいよ。出しても。そのまま出すのが嫌なら口でしてもいいし。」
海堂は喋りながらも手を動かしている為、我慢できずとにかくイかして欲しかった。
「どっちでもい・・・。っぁ・・・!」
イきそうな感じだったのに。ぎゅっと根元を思い切り押さえられ止められた。
「っ・・・なんで・・・」
「どっちか、言ってくれなきゃイかしてやらねぇ。どっちか言え。」
ニヤリと楽しそうにやらしい笑みを浮かべながら、俺を見下ろしている。
「命令すんなよ・・・・。」
俺は、フイと目を逸らした。
その瞬間、握っていた手に更に力を込められた。
「痛っ・・・・てー・・・!!痛てぇって・・・そんな力入れんな・・・。」
「だって、桃が答えてくれないんだもん。」
「わかった・・・口でして欲しいよ・・・」
ぱっと手を離して海堂は口に含んだ。
「んっ・・・海堂っ・・・っぅ・・・」
暫く、一人でもしていなかった俺は海堂にちょっと舐められただけでイッってしまった。
「ゴメン・・・・。」
海堂は、ちょっとだけ笑うとキスをしてきた。
「んっ・・・にがっ・・・・ちょっ・・・自分のなんて・・・」
よりにもよって自分のを口に強制的に流し込まれ飲まされた。 「これ、俺にもしたよな?」
ニコッと笑った。
今まで俺がしたことをしようと思ってるのか・・・・・ふと、そんな思考が頭をよぎった。
「さてと、桃は後ろ初めてだから、慣らさなきゃな?」
「えっ・・・・ちょっと待てよ。後ろなんて無理だって!!!!」
俺は焦りながら、後退った。
「あっ・・・まず中キレイにしなきゃか・・・。」
「は?無理無理無理。本当に無理だって!!!」
自分でも、血の気が引いていくのが分かった。
「大丈夫。俺がやるから、足開いて・・・」
開いてと言いながら海堂は無理矢理俺の脚の間に入って閉じれないようにした。
そして後ろの蕾が一瞬、冷たい感じがして中にぬるぬると滑る熱いものが入ってきた。

「あっ・・・ぁ・・・・何これぇ・・・指・・・?ヤメテ・・・くれ・・・抜いて・・・・」

「フッ・・・解った。」

海堂は鼻で笑いながら、何かを小さく呟きキッチンに向かっていった。
「えっと・・・ロートみたいなやつ・・・」

ロートみたいなやつ?
理科の実験に使う?

なんか、調理用具でそんなのがあった気がする・・・。

「あっ、あったー。」

何に使うんだ?そんなの・・・。

俺が考えている隙に、海堂はすかさず俺の脚を宙に掲げ
ロートみたいな調理器具を俺の蕾に差し込んだ。
俺は、思わず『ぁっ』と小さく声を出していた。
次の瞬間には、思いも寄らない事が俺の身体に起きた。
ロートみたいな道具を使って、中にビールを注ぎ出したのだ。

「うぁっ・・・かいど・・・やめぇっ・・・」

「気持ちいいよね?炭酸が中でしゅわしゅわして」

「やだっ・・・なん・・・あっ・・・熱っ・・・中が熱いっ・・・」

今まで感じた事の無い感覚が、俺を襲ってくる。
気が振れてしまいそうだ・・・。

「熱いよねぇ・・・だって、直腸で直にアルコール吸収してんだから。」

「あっ・・・かい・・・ど・・・お願っ・・・助けて・・・くれ・・・」

俺は、ただ・・・この状況からひたすら逃れたくて夢中で懇願していた。

「まぁ・・・この位で、きれいになったかな。いいよ?トイレ行って。」

海堂は眼を冷たく光らせ、笑っていた。
俺は、真っ赤になりながら、黙って腕を開放されるのを待った。
これから、起こる事を知らないまま・・・。

トイレから出た俺は、成されるがままに海堂に手を引かれ風呂場で
腰を突き出す形にさせられた。
そして、後ろの蕾にシャワーヘッドを取ったホースを入れられ腸の中いっぱいに
水を入れられた。

「もう、お腹いっぱい?」

海堂が再び、冷たく笑う。
俺は、唇を固く噛み締めていた。
海堂を喜ばせないように・・・。

「ねぇ、こんなに強く噛むと唇切れるよ?」

「っ・・・うるせぇ・・・。」

俺が口を開くと鉄の味がした。

「ほら、行ってる傍から・・・」

海堂の眼を伏せた顔がスッと近づいてきて、俺の唇を舐めた。
あ・・・俺の知ってる海堂だ・・・。
一瞬、そう思ったのに・・・。
眼を再び開けた海堂は変わらない、冷たい海堂だった。

「これ、抜くよ。言わなくても解るよね?」

笑みを浮かべながら、海堂の暖かかった唇はそう告げた。
瞬時には理解できなかった。
徐々に、言っている意味が理解出来ていく。
俺の唇は震えだし、血の気が引いていくのを感じた。

「やめっ・・・やめ・・・・・それだけは・・・頼む・・・・。」

「そうだよね・・・人間として・・・最後の恥も晒しちゃうんだから・・・なぁ・・・見せろよ・・・」

震える声で『やめてくれ・・・』を何度も、小さく呟きながら俺は最後の恥を晒された。 その傍で、海堂は冷たく笑っていた。
俺は、その場にしゃがみこみ・・・泣いた。

「・・・桃。」

海堂は泣いている俺に、頭からシャワーを掛けて汚れた俺の体を洗った。
その後は、一言も喋らないが優しく俺の体を拭いて部屋のソファーに座らせられた。

海堂の気持ちが分からない・・・。
優しくしたり、冷たくしたり・・・。

「桃・・・。足抱えて座って。今、きれいにしたトコ見えるように。」

もう、冷たい海堂に戻ってた。
ギラギラと冷たい眼を光らせて笑っている。
俺は、あんなにも屈辱を受けたのに何故か素直に従う気にはなれなかった。

「出来ねぇよ・・・。」

俺が、海堂の胸倉を掴みながらそう言うと。

「出来なくても、やれって。桃ってばよく俺に命令してたよな?」

「で?だから、俺にもやれって事?冗談じゃないね。やるわけ・・・・」

海堂は、俺を押し倒し後ろの蕾に無理矢理『何か』をねじ込んできた。
何もされていない蕾は、悲鳴を上げる程の痛みを伴った。
俺が、やっとの思いで海堂を離していた頃には、中に『何か』は入れられ
異物感が襲っていた。

「海堂・・・何入れて・・・。」

海堂が嘲う。
そして、何かのスイッチを入れた。
その瞬間に、俺の中から振動が起こり始めた。

「ひっ・・・・な・・・んだよ・・・・コレ・・・」

海堂が、気まぐれにスイッチを変えていく。

「今、桃の中にローター入れた。」

海堂が再び嘲いながら、俺を見下ろす。

「かいど・・・中の・・・取れよ・・・」

俺は、見下されながらも海堂を睨み上げ、ガクガクする足を
無理矢理使って海堂の胸倉に、もう一度掴みかかった。

「お願いしてくれたら、いいよ?お願いしますって言ってよ。」

「そんな・・・ん・・・・言えるわけ・・・・ひぁぁぁっ・・・あっ・・・うぁ・・・っ・・・」

今までに無い程の振動が中から伝わって、喋る言葉もままならず
立ち続ける事も出来ずに、その場に座り込んだ。
海堂の手元のリモコンを見ると、「最強」の部分にランプが付いていた。

「あっ・・・かぃ・・・どぉっ・・・ぁっ・・・ねがい・・・する・・・・するから・・・・止めて・・・」

「じゃあ・・・言ってよ。ほら・・・」
俺は、悔しくて悔しくて涙を流しながら
「おっ・・・おねが・・・ぃ・・・・しま・・・す・・・。」
そう、必死に伝えた。
海堂は、クスクスと冷たく嘲りながら、ローターを止めた。

「勃ってる・・・。初めてなのに、後ろで感じちゃったんだ?」

「っ・・・違う・・・」

俺は、はっきりと否定できずに眼をそらした。

「で、いい加減、俺が言った通りに座ってくれる?」

腕を組み、俺を見下す海堂に・・・俺の心は支配された。

「わかった・・・」

俺は躊躇しながら、海堂の言う通りに自分の足を抱え上げ
見えるように足を広げた。

「ふっ・・・桃のそう言う恥かしがってる顔・・・好きだな。」

海堂は、顔を真っ赤にさせ、唇を噛み締めて海堂から顔を背けた俺を笑った。


その後すぐに、俺の体をいじり始めた。
後ろの蕾を広げローターを取り出し、指を入れたり出したりして恥かしがる俺を
笑いながら楽しんでいた。

俺は・・・否定する事も出来ず
ただ・・・・我慢できない甘い声と『海堂』と言う言葉しか発する事が出来なかった。

「あっ・・・・かぃ・・・どぉっ・・・かいどっ・・・・かいどっ・・・ひぃっぁぁぁ・・・ぁぅ・・・かい・・・」

「ねぇ、桃?これからこんぺい糖入れてあげるね?」

俺がされる事は、今まで俺が海堂にしてきた事・・・
静かに頷いた。

「っぁ・・・・っ・・・あっ・・・あ・・・かい・・・ど・・・それ・・・やめっ・・・やぁぁっ・・・やっ・・・」

こんぺい糖で中を刺激されるたび、俺は一層声を上げた。

「やぁっ・・・かぃ・・・どぉ・・・もう・・・それ・・・やっ・・・」

力も抜け切り、それでも俺は海堂の腕を掴んでいた。
否定できるわけでもないのに・・・。

「桃・・・女の子みたいだね。そんなに声を出して。身体ビクビク反応させて・・・」

海堂は、冷たく嘲笑いながらこんぺい糖を入れるたびにイイ所を容赦なく攻め立てた。

「ぃぁぁ・・・かい・・・どぉっ・・・そこ・・・やだっ・・・ホン・・・トに・・・ぉねがっ・・・・そこ・・・やめっ・・・」

「桃ってば、こんなに可愛かったんだ?こんなに可愛かったなら、もっと早くこうすれば良かった。」

海堂は、笑いを堪えながら、俺の体を触り続けた。
そして、再び俺のモノをクチュクチュと音を立てていじり始め
海堂の顔が近づいた瞬間、息が掛かっただけでイッてしまった。

「ごめ・・・掛けるつもりじゃ・・・」

「いいよ。舐めてきれいにしてくれれば。」

「舐めっ・・・・出来るわけ・・・・」

「やれよ。桃・・・。」

冷たく言い放たれた言葉に、胸がズキッと締め付けられるように痛みが走った。

海堂は、自分の顔を俺の顔に近づけて眼をつぶった。
眼を瞑っている海堂は、前の海堂と変わっていないのに・・・どうして・・・
こんな事になっちゃったんだろう・・・。

「・・・・・・かおる・・・・・」

俺は、名前を呟いていた・・・・。

「やっと・・・呼んでくれた…。

なんで…。

何で、久しぶりに逢ったら『海堂』って呼ぶんだよ!!
いつも・・・『薫』って・・・呼んでくれてたのに。
一度でも・・・・前のように呼んでくれたら、ここまで酷くしなかった!
最初は、からかうだけのつもりでいたのに…
桃が昔みたいに俺の名前を呼んでくれないのかと思い始めたら
もう、昔には戻れないっていう悲しい気持ちが心を満たして
後は、もう頭に血が上って…ごめん…」

薫は、泣いていた・・・・。
俺は、飛んでしまった精液と涙を拭いながら
『そんな事で・・・』って一瞬思ってしまった、だけど薫の中では大切な事だったんだなって
泣いている薫を抱きしめながら、そう思った。

「ゴメン・・・。」
俺がそう言うと『うん。』と小さく頷いた。
「あの・・・・こんな時にごめん・・・あの・・・桃の中に入れてみていいかな・・・
俺・・・桃しか好きになった事無いから・・・一回も女の子と・・・した事無くて・・・
だから・・・あの・・・」

俺は、返事する代わりに、優しく笑い掛けた。

「その代わり、俺も初めてなんだからゆっくりしてくれよ?」

薫・・・顔真っ赤で恥かしそうだけど、嬉しそう・・・。
やっぱり、薫の方が俺なんかよりよっぽど可愛いよ!

「頑張って、ゆっくりするから・・・」

『あぁ・・・。』と返事をしながら微笑む薫に俺も笑い掛けた。

「じゃあ、挿れるよ・・・」

薫の小さくはないモノが、俺の狭い入り口に当てられ
押し広げて入ってきた。
凄い圧迫感・・・。
苦しくて、痛い・・・。

「っぅ・・・はぁ・・・かお・・・る・・・痛っ・・・痛いっ・・・もっとゆっくり・・・して・・・」

「ごめっ・・・桃のココ・・・凄くヒクヒクして飲み込んでくから・・・」

もう一つの俺自身が薫のなんて事の無い言葉で反応する。
張り詰めていたものが、一層張り詰めて少しの刺激でもイきそうになる。

「っ・・・ぅ・・・・」

「桃・・・感じてるのか・・・?今、ココがきゅんって締まった。」

「はぁ・・・っ・・・はぁっ・・・」

俺は、息が思うように出来ないし・・・
更に、感じてしまっている自分がいる。
こんな不思議な感覚を薫に伝えようと、涙目になりながら見上げた。

「可愛い・・・桃・・・凄く。俺は、いつもこんな感覚だったんだよ?」

俺・・・薫と同じ気持ちになってるんだ・・・。
肩で息をしながら、返事の代わりに小さく頷いた。

「かぉっ・・・もぅ・・・動いて・・・身体がおかしくなりそぅ・・・・」

薫の首に腕を絡ませて、恥かしかったけど・・・・どうしても・・・
薫をもっと感じたくて、耳元で小さく呟いた。

「ごめん・・・こんな感覚初めてだからさ・・・。」

薫が少し笑うと、俺の体を気遣う様にゆっくりと動き始めた。

「はぁっ・・・はぁっ・・・っあぁ・・・」

初めての感覚で声が抑えきれなくて・・・
でも、恥かしいから抑えたくて・・・薫の唇に自分の唇を重ねた。

「んっ・・・んんっ・・・っ・・・っふ・・・あぁっ・・・!」

ある一点を突かれただけで、言葉に言い表せない程の快感が俺を襲った。

「ここ・・・桃のイイとこなんだ?」

薫は妖しげに笑った次の瞬間に、俺は恥かしいほどの甘い声を上げていた。
何故なら、薫がその一点だけを集中的に攻め始めたから。

「あっ・・・あっ・・・かおる・・・そこばっか・・・・止め・・・頼っ・・・」

恥かしいほどに、許しを乞う俺の口。
その意思とは反対に、欲しがる俺の身体。
心と身体がバラバラになる感覚。

「ダメだよ。こんな事って滅多に無いから、桃が気絶しちゃうくらい鳴かしてあげる。」

「頼むっ・・・ゆるして・・・・もぉ・・・・む・・・り・・・・でちゃう・・・・」

我慢の限界が来ていた俺は、抑え切れずにイッてしまった。

「ごめ・・・だから・・・頼んだのに・・・」

「いいんだって、何回でもイかしてあげるから。
それに、俺まだイッてないし。」

俺はその後、数え切れない程イかされ、いつの間にか気を失ってた。



起きたら、昼を過ぎていた。
隣からは、海堂の寝息が聞こえて来る。

「シャワー浴びてこようかな・・・」

立ち上がろうとすると急に腕を掴まれ、掴まれた方を向くと
恥かしそうに笑いながら『おはよう』という薫がいた。

「おはよう。シャワー浴びるけど、一緒に入る?」

「うん。」

俺は、風呂場に行く途中でふとベットの脇にあるゴミ箱を見た。

「・・・ティッシュとゴムが大量に入ってる・・・・・・いかにもやりました。みたいな・・・」

「だって、しょうがねぇだろ。実際にヤったんだから」

俺が苦笑している横で海堂はサラッと言い放って一人で風呂場に行ってしまった。

「・・・まぁ、そうなんだけどね・・・」

俺もそう呟きながら、風呂場に向かった。



「はぁ〜 気持ちいい。」

湯船に浸かりながら、俺は身体を洗っている薫を見つめた。

「なんだよ。」

俺の視線に気付いた薫は、いつものように俺を睨み付ける。

「いや、ちゃんと鍛えてんだなぁと思って。」

「まぁな。プロになりたいから、手抜きは絶対したくないんだ。」

「そうか。変わらないな・・・。薫は、やっぱりどこに行っても俺の好きな薫だ。
何事にも感化されない、強い意思を持った人・・・・。」

薫が優しく・・・でも、恥かしそうに笑った。

「俺が、良い意味でも悪い意味でも影響されるのは、桃・・・・お前一人だけだ。」

シャワーで身体の泡を流しながら、海堂は正面にある鏡を真っ直ぐ見つめそう言った。

「要するに・・・俺の色に染まってるってコトだな!」

俺がニヤニヤしながらそう言ったら、『・・・・バカか。』
そう言われて、顔にシャワーを浴びせられた。

「ぷはぁ・・・冗談です・・・しゅみましぇん・・・。」

顔を拭いながら、うなだれた。

薫は笑いながら「わかれば宜しい」なんて、そう言った。


「なぁ・・・薫・・・本当は、今回何で帰ってきたんだ?」

俺は、湯船の中で俯く薫に後ろから抱きしめながら、尋ねた。

「『お前に逢いたかったから・・・』そう言ったら?」

「えっ・・・?」







「お前は、3年しかって言うかもしれないけど、俺にとってアメリカでの3年は気が遠くなる程遠かった。
中学時代、高校時代は知ってる人ばっかだったし、何よりお前がいたから、大好きなテニスが
辛くなっても、好きなままでいれた。
でも・・・アメリカは知る人が誰もいない、
未知の世界・・・・辛くなって、桃に逢いたくなって帰ってきた。」

薫が静かに話す。
薫の内にはどんな苦しみを溜め込んできたんだろう。
無理して笑う薫に胸が苦しくなった。

「そうか・・・良く頑張ったな?」

俺は、抱きしめる腕に更に力を込め、頭を撫でてあげた。
鍛えられていても、細い肩が・・・小さく震えている。

「薫・・・胸貸すから、こっち向けよ・・・」

薫は、俺に抱き付いて泣いた。
声を上げて・・・。

声を上げて泣く姿を俺は、今までに見た事があっただろうか・・・。
よっぽど、苦しくて・・・辛かったんだろう。


今までに見た事の無い薫に、少し動揺したが、
アメリカに行って変わらない筈が無かった。

薫は、今までよりずっと我慢する事を覚え、
今までよりもっと脆く壊れやすくなっていた。


次の日、泣いてすっきりしたから帰ると言ってアメリカに戻って行った。
空港に行く間際、控えめに「また、辛くなったら帰ってきてもいいか?」という
薫の問いに、俺は「いつでも、帰って来ていい。待ってる。」そう応えた。


END


海×桃ぉぉ〜!!!??(@_@)
たまには、こんな事もアリかなと思って書いて見ちゃいました
酔った勢いですから、何でもアリっすよ!(爆笑)
ちなみに、桃BIRTHDAY小説と言う事で・・・
(忘れてて企画なんにもしてない人/汗)

明月 春夜

2004.4.20