promise 約束
-3-
海堂の頭を撫でながら、眠るのを見届ける。眠ったのを確かめると、
下の階からお湯で絞ったタオルを持ってきて海堂の体を優しく拭く。
「・・・んんっ・・・」
体に違和感を感じたのか、眠ったまま声を上げる。
「拭いてるくらいで感じんなよ・・・薫。そんな可愛い顔見せると、このままヤっちゃうぞ?
それとも、本当にまだ足りないのか?なんてな・・・」
冗談めかしく笑い、拭いてる手を止めて海堂の額にキスをした。
「んっ・・・桃?・・・」
隣にいるはずの桃城が居ないことに気付いた海堂はあわてて目を覚ました。
「・・・あっ、起きたか?具合どうだ?」
タオルを持って入ってくる桃城に、海堂は自分の体がキレイになっているのに気付く。
「あ・・・あぁ、大丈夫・・・あのっ・・・体・・・」
顔を真っ赤にしながら桃城を見る。
「・・・ん?体?あぁ〜本当はすぐシャワー浴びなきゃいけないんだけど、
薫かなり疲れてたみたいだから体拭いてたんだよ。ちなみにな?
中出しすると下痢になっちゃうみたいだから危険なんだよね・・・ハハハ・・・。
ごめんな?次は失敗しないようにするから・・・今回は許してくれよな?」
苦笑いをしながら、顔の前で手を合わせて海堂の顔色を伺った。
「・・・げ・・・り・・・」
気のせいだろうか、海堂の顔が青ざめたようだった。
「あっ・・・いっ・・・いや、大丈夫だって!俺がキレイにしたから・・・。下痢にはならないよ。」
桃城は慌てて言い直した。
「・・・っ」
今度は赤らめて口をパクパクする。“キレイにした”を想像したようだ。
「なに想像してんだよ?もしかして、俺が薫の体をキレイにしたところ想像しちゃった?
薫ったらエロいなぁ〜。」
赤くなる海堂を面白がってからかう桃城。
「ウルサイッ!!」
図星だっただけに耳まで赤くさせてベットの上に置いてあったスネイクのイラスト入りクッションを
桃城に向かって投げつけた。
「いてっ!んっ?図星だったのか?おい、後ろ向くなよ・・・こっち向けって。な?」
照れて桃城の顔を見れない海堂は後ろを向くが、
桃城に後ろから抱きしめられてさらに、ドキドキしてしまった。
「ちょっ・・・桃っ・・・離せよ・・・」
口では悪態をつくが本心はそうは思ってないようで、抱きしめられた腕の上に軽く自分の手を乗せている。
「・・・嫌だ。だって、こんなに可愛い薫見せてくれるの久し振りなんだぜ?
いいだろ、もうちょっとだけ薫を抱きしめさせてくれよ・・・」
海堂をさっきより強く抱きしめた。
「・・・ばぁか・・・・」
俯いていた顔を少し上げるとそのまま桃城の肩に寄り掛かった。
「今なら幸せのまま死ねるな・・・。なーんて、薫を残しては死ねねーな」
笑いながら海堂に話す。
「死んだら葬式ぐらい出てやるよ」
フッと笑って桃城を見る。
「それとも後追ってやろうか?」
「葬式には出なくていいから、後追ってきてくれ。死後の世界があるとしたら、
そこで薫が来るまで永遠に待ってるから・・・」
真面目な顔をし海堂に話す。
「なんてなっ!何で俺たちそんな話をしてるんだ?もう、止めようぜ」
自分が死んでしまえば海堂は一人になってしまう、そんな事を考えて怖くなった桃城は、話題をそらそうとした。
「・・・まぁ俺は、お前と白黒つけてライバルを抜け出せるまで死ぬ気ねーけどなっ」
そう言うと、不意打ちのように桃城の腕を払い除けると軽く唇に触れる程度のキスをして笑った。
「だから、テメェも死ぬなよっ」
そして海堂は帰り支度を始めた。
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